既存顧客を大切にしたら会社が倒産してしまう訳。新規客とリピート客どっちが大事?を解説。
日本河野竜夫目次
売上を増やしたい場合、
3つしか方法がありません。
新規客を増やす。
購入価格を増やす。
購入回数を増やす。
ベストセラーで提唱されて広まりました。
そしてこの中で一番難易度が低いのが
購入回数を増やすことです。
リピート購入してもらうコストより
新規客を獲得するコスト(労力や費用)は
5倍かかると言われてるからです。
だからこそリピート購入を増やして
売上と利益を増やそうという施策が数多く行われています。
カスタマーサクセスが重要だ!
ロイヤル顧客を作ろう!
顧客をコミュニティ化しよう!
LTVを最大化しよう!
これは全部同じ理屈です。
もちろんこれは全部正しいんです。
理屈抜きでもお客様を大切にして悪いわけがないわけです。
でも、スモールビジネスの僕らがこれを大事にしすぎると、
実は売上も利益も逆にものすごく減ってしまうリスクがあったりします。
ひどい時には会社が潰れたり、
そのビジネスが消滅することもあります。
ということで今日は、みんなが信じてる「リピート信仰」を実行すると
実は倒産しちゃう危険があることについてお話ししますね。
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文章バージョン続き|既存顧客を大切にしたら会社が倒産してしまう訳。新規客とリピート客どっちが大事?を解説。
改めて言いますが、
売上を増大するためにリピート購入を増やすことに流力するのは
まったくもって正しいです。
代表的な理由はいくつかあります。
A;リピート購入はコストが安い。
1度でも支払いをしてくれた既存顧客に追加とか繰り返し購入してもらうのは、
新規の5分の1で済むと言われてます。
体感としてはもっと安いです。
なので限られた労力とコストで売上を増やすなら、
やはり既存客にもっと何かを買ってもらうのが合理的だからです。
なにより、それを真面目にやってない人も多いと思うんで、
インパクトが大きいのです。
B、LTVが増えると新規客の獲得コストに余裕がでる。
少し専門的になりますが、新規客から得られる利益が1万円の場合、
原価0円でも使える広告費は、利益率を度外視しても8000円くらいですよね。
でもこの顧客が近いうちに追加で1万円使ってくれるなら、
使える広告費は、利益率を度外視するなら16000円くらい使えます。
ちなみに広告費って1件の新規客を獲得する費用を高額にできればできるほど
競争に勝てると言われていますし、
規模を拡大しやすいです。
第一マーケティングにも余裕がでるんです。
この2点だけでも、リピート顧客を増やすことには
意味があります。
なのに。
なのにです。
リピート売上を大事にすればするほど
売上が減り、倒産の危機を迎えることもあるんですよね。
この理不尽?なカラクリを説明していきますね。
1、新規獲得をサボる。
僕らがやってるのはスモールビジネス。
特に売上増加の施策を能動的に行えるのは、
社長だけかもう1名くらい。
そうなると時間を何に使うか?
で業績が左右されます。
マーケットの変化より大きいかもしれません。
そんな時リピート売上拡大に集中したり、
顧客コミュニテイの形成に時間を使ってると、
何が犠牲になるかというと新規獲得です。
しかも既存客からの売上は
新規の5分の1以下の労力でできてしまうので、
リピート売上を何かの施策で増やすことに成功してしまうと、
それと比べて新規客獲得はアホみたいに難易度が高く感じてしまいます。
そして余計新規獲得より既存客の方が良いと判断してしまい
新規客の獲得が鈍化します。
もちろんリピート客が入れば売上は安定しますので
増大しないにしても経営的には悪いことはないと考えがちですが、
これから話す理由で、全体の売上はもちろん、
リピート客からの売り上げも激減していきます。
2、リピートを永遠にする人ばかりでない。
もちろん顧客と関係ができていれば、
10年20年と顧客であり続けてくださる人はいます。
でもそれは人によるわけです。
どれだけあなたが誠実で、
どれだけあなたのサービスが秀逸でも、
顧客が顧客でなくなる日がきます。
顧客の生活環境、
趣味が変わる場合もあるし、
収入が変化することもあります。
あなたの問題ではなく、
構造的に一定の割合で必ずそうなります。
つまり既存客はどんどん減っていくように
できてるんです。
もちろん一度既存客でなくなっても、
1年とか5年後にまた顧客になってくださるいわゆる休眠客もいます。
そういうことを総合すれば、
なんとか延命できるような気もするんですが、
それにしてもリピートというのは一定の割合の人しかしませんので、
その分母が小さいうちは大した数ではないのです。
ということは既存客の分母が同じ限り、
売上と利益は減っていくだけなんです。
3、新規客が一番多くリピートする。
誤解しやすいんですが、
リピートってその商品を長く使っていて、
良さをわかってくれてる顧客の方がするわけじゃありません。
どちらかというと、
新しい顧客の方がリピート回数が多いデータが出ることが多いです。
つまりリピート売上は、
直近の新規客が多ければ多いほど増える傾向があるってことです。
逆に古い顧客ばかりになると、
努力ではどうしてもリピート売上が増えないわけです。
施策ではなくて、
顧客の特性の問題なんです。
結果新規が少ないとリピート売上も減っていきます。
4、ダブルジョパディの法則
有名な理論で「ダブルジョパディの法則」というのがあります。
簡単言いますと、
シェア(浸透率)が小さい会社は
購入頻度がそもそも小さくなる。
という法則のことです。
乱暴に解説すると、
浸透率が低いとネットワーク効果が得られにくいです。
使ってる人が少ないので膨大なリピをうむ口コミが生まれにくいってことです。
主にはこんな理由から、
リピートだけに集中すると業績が悪化し続けることが多いです。
ちなみに僕もコンサルビジネスで初期の頃そうなりました。
コンサルなんてクライアントさんのために心血を注ぐことが
仕事なので当たり前なんですけど既存のクライアントさんと
関係を続けることに集中しまくってて、
コンサルワークはもちろん、コミュニティ作りなどにも
没頭してました。
もちろんクライアントさんには喜んでもらえたと思ってますし、
多くのクライアントさんとは今でも良好なお付き合いをしています。
成功はしたんです。
充実度も最高でした。
でもその裏で実は業績は落ちていました。
収入が減ってるんですよね。
これは新規獲得の施策を完全に後回しにしてたし
実際難易度は高いので逃げてたんだと思います。
それからは、とにかく両方やるしかないと思って、
組織化したり新規のタスクをしっかりやるようになりました。
他オーダースーツ販売でも同じです。
ECなのでLTV最大化は当然目指します。
あらゆる施策を回して、
リピート回数は相当増えたと思います。
それでも新規の獲得が何かの問題で
大きく減少した場合、
後を追うようにリピート売上が激減し
全体の売上を下げてしまいます。
これは直近の新規顧客が
リピート売上を最大化するということの証左ですね。
いかがですか?
とはいえ、新規獲得に没頭している人の方が多いので
どっちかといえばリピート売上施策をちゃんとしようってアドバイスする方が
いいかもしれませんが、
もし既存顧客のケアに没頭してるとしたら
結構危険な兆候なので気にしてみてください。
では。
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【雑談】4カ国協議を開催
先日海外のクライアントさんが同時期に数名帰国されていたので
5名+僕らスタッフでランチをしました。
アメリカ
イギリス
オーストラリアの方です。
僕以外はみなさん女性。
一軒家を借りてケータリングで
お互いの仕事の話やら個人的な話やらいろいろ聞けて
とても楽しかったです。
その時に出た話が
日本の男性は初対面の人との雑談が苦手だって話。
僕も「日本の男性」で、おしゃべりな方なので
そういう自覚はないものの、
「日本人男性」の全く別の傾向を思い出しました。
仕事とまったく関係ない場所で
特に男性同士だと、まじで何も話さない人が多いなって思うんです。
一番如実に出るのが
子供の習い事やらサッカーの付き添いに来てる時の周りの親御さんとの関わりとか、
小さいころなら公園で出会う親御さんたちとの関わり。
2時間以上同じ場所にいるのに無言とかありますもんね。
女性は結構盛り上がって会話してるシーンが多いんですが
男性は無言とか多いかもしれません。
ちなみに僕はそんな場所でも、
どうせ何時間も一緒にいるんだから話したいほうなんですが
どうしても「興味」が優先しちゃって、「仕事は?」とかそんな話をしちゃうんです。
でもそういうのは子供が絡む場合はダメな暗黙のルールがあるらしく、
我慢してます(笑)
(慣れたらバリバリ話しますが。)
これ日本特有の空気なんでしょうね。
とはいえ、
そんな男性陣も心が通ってないわけでもなくて、
始まりと終わりにはアイコンタクトしてるし
トラブル時には協力したりするんです。
そしてなにより
話しはじめててしまえば、
バリバリ仕事の話もしますしね。
だから雑談したくない人が多いわけでもないんです。
でもダメなんですよね。
自分で言うのもなんですが、
あれ。なんなんですかね。





