人の役に立つ仕事がしたい、ビジネスで人を助けたいと思っている人によくある大いなる勘違い。人を助けとか人の役に立ちたいとかは100年早い僕たち私たち
日本河野竜夫目次
ビジネスを通じて人の役に立ちたいとか、
人を助けたいという気持ちを持っている方って多いと思います。
もちろん大企業なんかが投資家やユーザー向けに格好つけるために、
ESGとか利他の精神をことさら強調するという部分もあるけれども、
起業する前から本音でそのように考えている人もすごく多いと思うんですね。
また起業する時の目的が「人を助けたい」や「役に立ちたい」じゃないとしても、
ある程度軌道に乗ってくると後天的に人を助けたいという気持ちが大きくなる方もとっても多いと思うんです。
僕もそのタイプですね。
起業当初は自分が食っていくために必死だったので、
人のことを助けるなんてことは考えたことすらなかったですけれども、
まだまだではございますが、ある程度安定してくると人を助けたいという気持ちは
日に日に大きくなっている気がします。
で、そういう時、
起業前の方はどうするかというと、
やはりビジネスモデルやサービスを選ぶ時に
人の役に立てるものを選ぶ方が多いですよね。
まあもちろん中にはもっと極端に振って
NPO法人を作る方もいるかもしれません。
そして起業してから人の役に立ちたいとか助けたいと思った方にとっては、
何か商売抜きにして誰かを助けるような活動をする方も多いとは思うんです。
ただですね。
どうですか?
当事者の方に聞きたいんですけど、
その人を助けるということ、
人の役に立つということが、
満足に進んでいたりするでしょうか?
満足になっているならそれでいいんですけども、
多くの方はの役に立ちたい、人を助けたいと思った時に、
逆に助けることもできなければ役に立つこともできなくて、
しかもストレスを大きく抱えているという状況になっちゃっていることも多いんですよね。
それは僕が思うに、
人を助けるとかビジネスで人の役に立つということの意味とか意義に、
ちょっと勘違いとか取り違いがあるんじゃないかなと思ったりするわけです。
僕もこの20年で、人を助けたいと思いつつそれが空回りというか、
大いなる勘違いで大きな失敗をたくさんしてきたところがあります。
そして僕のクライアントさんでもそのような状況になるシーンを結構見るんですよね。
ということで今日は、
このビジネスを通じて人を助けるとか人の役に立つということについての、
勘違いしてはいけないポイントについてお話したいと思います。
動画で見る|ビジネスで人を助けたいと思っている人によくある大いなる勘違い
文章バージョン続き|ビジネスで人を助けたいと思っている人によくある大いなる勘違い
まず一番最初に共有したいポイントが、
ビジネスを通じて人の役に立つとか、
人を助けるという定義とか範囲についてです。
大前提として、
あなたがしてるビジネスが現在成立しているとします。
何かを売っていて、買ってくれてる人がいる状態ってことです。
その時点で、あなたもしくはあなたの会社は
”人の役に立っているし、人を助けています。”
だって、商品やサービスというのは自分の役に立つとか必要なものである、
つまり助かるからこそお金を払って手に入れてくださっているわけであって、
その後に返金のご要求などがないのであれば、
助けるとか役に立つという目的はその時点で達成していることになるわけですね。
問題になっている詐欺的な商品でない限り、
これはすべてのビジネスに適用されると思います。
そういう意味で言うと、
そもそもがビジネスを通じて「私は人を助けたい」とか
「私は人の役に立ちたい」というセリフそのものが、
あまり意味をなしていないということになってくるわけです。
ビジネスをしてそれを軌道に乗せ継続させるということそのものが、
人の役に立つことをする
人を助けることをする
ということになるんだろうと思うんですよね。
ですから、
例えば困っている方の精神的な支えになることをしなければいけないとか、
人生に大きな課題を持っている方を支援する仕事をしなければいけないということが、
助けているか助けていないかという基準になるわけがなくて、
ありきたりのただの日常で使う靴を販売しているだけでも、
その方の何かの役に立っているわけですから、
十分人の役に立つ仕事ということになるわけです。
そしてもちろん、
役に立った、人を助けた対価として正当なお金をいただいているということですよ?
ですから当然のごとく、
この場合の「助けた」というのは一方的に100対0で相手のことを助けているわけではなく、
同時に僕たちのこともそのお客様から助けていただいている、
役に立っていただいているということになるわけですね。
つまり双方向なんです。
人を助けていて助けられている。
人の役に立ちつつ、役に立っていただいている。
これがとにかく共有したいポイントです。
そういう意味で言うとですね、
適切な商品なりサービスを選んで、適切に集客・マーケティングをし、
お客様から満足いただいてリピートでもしてもらうような状況になっているのであれば、
その時点で人を助けることや役に立つことはコンプリートしている状況ですから何にも問題はありません。
じゃあどうして今日のテーマみたいなことになっていくかというとですね、
こういうビジネスの普通の状況のことを指しているわけじゃないからなんです。
皆さんの多くの方がおっしゃる
「人を助けたい」とか「役に立ちたい」という意味の中には、
双方向で助けたいということではなくて、
ある種一方的に100対0の関係で助けてあげたい。
という意思が含まれているんじゃないかなと思います。
助けるだけ助けてあげたい。
役に立つだけ役に立ってあげたい。
一方的に、こちらだけが助ける・こちらだけが役に立つという状況を、
目指している・希望しているんじゃないかなと思うんですね。
矢印が一方向なんです。
この時に問題がものすごく出てくることになるわけです。
どういうことか、少し具体的な例を持って説明していきましょう。
■ケース1:無料支援
例えば、海外就職だったり海外留学をしたい人を支援するようなサービスを展開しているとしましょう。
その時にですね、
「人を助ける」「100対0で人を助ける」と言った時にどういうことが思いつくかというと、
お金があまりなく特殊な事情を持っている若い方に対して、
サービス費用をもらわずに親切心で支援をするということなんかが挙げられますよね。
もちろんこれは素晴らしいことです。
100対0で相手のことを助けていることになるのでしょうけれども、
その時にどういうことが起こるかというと、 なかなか綺麗にはいけません。
当然こちらとしては「助けてあげている」という意識があるので、
相手の真剣度だったり本気度をやっぱり要求することになります。
ですからこちらの言うことを聞かなかったりとか、
逆に他の支援会社のサービスを受けているなんてことが判明すれば激怒したくなるし、
もうやる気をなくしてその人のことはもう支援しないと決めて
関係を切ってしまったりということになりがちですよね。
僕にもこの手の経験はたくさんあってですね、
昔は例えば詐欺に遭ってお金がなくなってしまったと涙ながらに訴える方を
無料で支援することに決めたことがありました。
あるいは、国際結婚をしていて子供がいます。
しかし突然理不尽に離婚されてしまい財産分与もほとんどなく、
ハーグ条約があるから日本に帰ってもこれずに困っているという方を、
ビジネスが立ち上がるまで無償で支援しようとしたこともありました。
その方々がどういうことになったかというとですね、
ミーティングそのものに出席しなくなったりとか、
一緒に決めたタスクを全くやってこなかったりとか、
はたまた支援しているうちに全く違うサービスに今度は有料で申し込んでいたりとかってことがあったりもして、
すごくショックを受けたりイライラしたことも何度もあります。
これが何が問題かというと、
そもそも助けている本人が見返りを求めているんですよね。
見返りというのは金銭だけではなくて、
やる気であったりとか、コミットメントであったりとか、
相手にとっての自分の優先順位であったりとか、
感謝であったりとか、
そういうことを求めているからこそ、
そうじゃない時にイラつくわけです。
でもこれって要するに人を助けているわけではなく、
等価交換を、つまり「助け助けられ」という関係を結局求めていることになるので、
これは100対0で助けているということにはならないんですね。
もし本当にそうしたいならば、
「やれることはやるけれども、相手がしたくないならしなくていい」
という気持ちがすごく必要になるわけです。
でもそんなふうに考えてこのような支援を決める人は、
やっぱりスモールビジネスの起業家にはほとんどいないのが現実じゃないでしょうか。
■ケース2:スタッフ・外注として採用する
次に金銭的な支援をしようとする場合もあると思うんです。
金銭的な手助けをしたい時に一番わかりやすいのは、
スタッフや外注スタッフとして採用したり、
取引先として何かの仕事をオーダーする相手として、
ビジネスの論理ではなくてその人の生活環境だったり、
置かれた立場に配慮して仕事を渡してあげているというケースになりますよね。
よくあるのは例えば、
海外に住んでいて一人で暮らしている方の収入の手助けになればと思って、
自分の仕事を一部お願いするようにしたりとか、そういったケースです。
これも依頼している本人からすると100対0の気持ちで元々は依頼しているのかもしれませんが、
やはりお金をかけてオーダーしている以上どういうことが起こるかというと、
望むスキルセットになっていない場合はそのスキルセットになるように努力することを求めてしまいます。
ただ頼まれている方がそう思ってるかどうかなんてことはわからないわけで、
今の自分のできることをできる範囲でしかしない方だっていっぱいいるわけですね。
そうするとこっちとしては
「なんで仕事を依頼してやってるのにお前は努力しないんだ」
というふうにイライラするわけです。
なぜかというと、その支払っている給料が10万円なのか30万円なのかわからないけれども、
小さい事業であれば年間何百万にもなってバカにならないコストですから、
それをしっかりと利益に還元しなければいけないので、
役に立たない仕事ぶりだとどうしてもイライラするし、
物理的に依頼し続けることが難しくなっていくわけですね。
そういう時に相手が何か仕事の失敗を申し訳なさそうにしなかったりとか、
あなたが言うことに一言でも反論したりとか、
会社の業績について興味を示さなかったりとか、
向上心を持たないということが少しでもあったりしたものなら、
もうこのイライラが爆発してしまって、
クビにするみたいなことが起こるわけです。
こういう状況も本質的にはやっぱり、
助けようとしていたわけでも役に立とうとしていたわけでもないんですよね。
単純に対等な関係を求めている相手として選んだだけであって、
これはみなさんが言っている「役に立とうとしていること」ではないのかなと思うわけです。
とまあ、代表的な失敗する「人を助ける」2つのケースをお話したんですが、
繰り返しますが、そもそも論として基本的に人の役に立つとか人を助けるというのは、
対等なビジネス上の関係であれば成立しているはずなんですね。
100:0の 施しである必要はないんです。
お客様に対しては、
まっとうな料金を払っていただいて、こちらがサービスを提供することで役に立ち、
役に立っていただく。助け助けられということが成立しています。
スタッフや取引先にしても、
必要なスキルを持っている方を選んで、
その方に必要な要求をして仕事を頼む。
相手は相手で言われた通りのクオリティで仕事を全うしていただければ、
こちらも助けられているしこちらも助けていることになるので、
全く異論を挟む余地はないわけです。
なのに、100対0の関係で助けようとあえてしているし、
かといって、本音では50対50のビジネス上の関係を求めている状況になっているから
おかしくなっているわけですね。
じゃあなんでそうなるか?
僕もこの失敗を何度もしてきてますからわかるんですが、
本人はですね別に人を助けたいと思っているのが嘘で、
見返りを求めているということはないんです。
本気で100対0で相手を助けたいと思っているんですよ。
その気持ちには全く嘘はないんです。
ただ、悲しいかな余裕がないんですね。
そのようにする余裕がないんです。
どういう余裕がないかというと、
金銭的な余裕と時間的な余裕ですね。
ビジネスを回している中で、
年間数百万円逆に捨ててもいいようなお金が存在しているか、
何十時間も無駄にしていいような人生の時間が存在しているか。
そういう余裕がないからこそ、
有意義に使わなければいけないという焦りがあって、
100対0で助けようとしている相手からも何かしら自分に返ってくるような気持ちになってしまう。
ということなんですね。
つまり、人を助けたい・救いたいと思っている方はですね、
人を助けることができる力なんてないんです。
力不足、
分不相応。
贅沢、わがままなんです。
起業家として100年早いくらい力がないんですよね。
これ以上でも以下でもありません。
僕らには人を助けたり役に立つような、
そんな余裕ぶっこいてるほど成長してないんです。
ですから世の中でいわゆる100対0の形で人の役に立っている方をよく見ていただきたいんですが、
自分にもう十分な時間とお金の余裕がある方が多いんじゃないでしょうか。
もしそうでないんだとすると、
ストレスを抱えながら、自分を消耗させながら助けている人がとても多いと思います。
その生き方は尊敬するし否定なんてするものではないんですけれども、
ただ多くの人を助けたいと思っている方が望む姿ではないんじゃないかなというのも事実ですよね。
ちなみに先日「東京貧困女子」というNetflixの短いドラマが公開されたんですが、
その中に特徴的なエピソードがあります。
日本の場合シングルマザーになると 養育費が支払われなかったり、
子供を育てながら一人で外で稼ぐというのは結構難易度が高いと言われていますので、
生活が苦しくなる方も一部いらっしゃいます。
そういう方が主人公なんですが、
そうやって一生懸命自分の暮らしを支えているその方のところに、
すでに離婚した離れて暮らすお父様が生活保護を申請しているという手紙が届きます。
その際に「あなたに扶養する意思があるかどうか」という確認の手紙が届いて、
本人がすごく葛藤するシーンがあるんです。
ただその時にそのそばにいた仕事仲間がですね、
「それは父親を捨てるしかない。生活保護の方がお互い幸せなんだ。そんなことをすると共倒れになるよ」
というセリフを言うんですね。
実際その「東京貧困女子」はそんなふうに、
自分が人を助ける余裕がないのに人を助けることによって共に貧困に落ちていくという、
非常に辛い話が出てくるんですが、それが特徴的なエピソードの一つでした。
話を戻します。
こんなふうに、
とにかく僕らには人を100対0で助ける余裕がないのにやろうとするから、
まあ大変なことになるのかなというふうに思うわけですね。
とはいえ、
人を助けることなんかできないとか、
役に立てないなんてことは僕は1ミリも言っていません。
ビジネスで人を助けることもできるし、役に立つこともできることは間違いありません。
ビジネスというのは少なくても僕はですけれども、
ビジネスを成立させることができさえすれば、
お客様と取引先もしくはスタッフが存在するわけで、
その方々の役には立っているし、
その方々の何かを助けていることになることは自信を持っていいと思うんです。
僕はそのように思って仕事をしていますし、
逆に同じ等価で(僕の場合はクライアントさんからいただくものが多いけれども)
同じようにこちらも助けられ、
その方々が役に立っているという状況になっているということで、
何がいけないんですか?とも思うわけですね。
逆にそれでも人の役に立ちたいとか人を助けたいとかいう方はですね、、、
ちょっと贅沢というか、
ビジネスをするということそのものを
ちょっと舐めているのじゃないかなって気はしないでもありません。
金儲けをするのか
or
人を助けるのか
なんて二項対立ではありませんし、
もしそう思っているとしたら、
明らかな勉強不足・現状認識不足かなというふうに思ったりするんです。
最後は生意気言いましたけど、
ということで十分人の役に立つことができると思うので、
100対0で 人を助けることができる力を身につけるまでは
存在させるだけでも十分人の役に立つことができる
普通のビジネスにみんなで邁進していきましょうよという掛け声でございました。
では。
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詳しいビジネスモデルも準備していますので、
詳しく相談されたい場合は相談してみてください。
「何から始めればよいか?」「この商品を売るにはどうすれば?」「業績を上げるには?」
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【雑談】シリコンバレーによろしく。
最近、『シリコンバレーによろしく』という本を読みました。
XなんかでもちょっとだけSNSで話題になっていたので、
知っている方もいるかもしれません。
著者の内藤聡さんが、大学在学中にブログを書き始め、
卒業後に英語もあまりできないまま単身シリコンバレーに渡られ、
実際に起業されたという話です。
内容は読んでいただいた方が絶対に面白いと思うので細かくは言いませんが。
資金調達に苦労しながら事業を立ち上げられたり、失敗されたり、ピボットされたりとか、
試行錯誤しながら頑張っていらっしゃるんですが、
これが何がいいかというと、
すでに大金持ちになった成功者バイアス全開の話になっていなくてですね、
まだ途上の話が途中経過として公開されているところが僕はすごく面白かったし、
結構生々しいなというふうに思いました。
ちなみに現在は、リモートワーカー向けの賃貸サービス「Anyplace(エニープレイス)」を
アメリカ発で運営されていて、YouTube共同創業者などからも出資を受けていらっしゃいますから
十分成功されているんですけどね。
とにかくどんな年齢でも、
起業とかビジネスとか挑戦ということへ意識がある人にとっては、
間違いなく元気を与えてもらえる話です。
ワールドカップの日本戦くらいの影響力があるんじゃないかと思います。(笑)
僕も起業してから『Y Combinator』はもちろん、
アメリカのスタートアップ界隈の書籍やインタビューを読んだり聞き漁った時期もありますし、
すごく憧れを持っていまして、
実際にアメリカで起業する根性まではなかったですが、
シリコンバレーに何度か見学に行くくらいはしてましたから、
ただでさえ起業してまだまだ成長したいと思っている自分がいるわけで、
それに輪をかけてすごく面白かったです。
面白かったというか刺激をもらえたというかそんな感じですね。
自分はアメリカに行こうとじゃないんだけど、
これからの自分の活動にもワクワクできたって感じです。
何より、
これを自分が高校生や大学生の頃に読んでいたら、
明らかに行っちゃってたんじゃないかなというふうに思いました。
あ、
「今からやればいいじゃん」というツッコミはちょっと置いておいてください。
やはりそんな根性ありませんので。(笑)
とにかく非常に羨ましくもありましたし、
刺激ももらえました。
なので、
普段自分の子供に本を紹介するみたいな間抜けなことはしないんですが、
うちの大学生の娘は「お金を稼ぐようになりたい」と普段から言っているので、
これは面白いよと勧めてみました。
ま反応は
「すごく面白そう!」と優しさなのか忖度なのか言ったまま、
その本はまだ積まれたままになっているのは内緒です。





