社長はイエスマンを側に置くべき理由【第688回】
日本河野竜夫
目次
ちょっと前のことです。
2名で共同経営をしている会社のコンサルティングをしていました。
でも僕が契約したのは会社じゃなくて1人の社長個人とです。
ある時、クライアントさん本人以外が導入した人事評価制度について、
クライアントさんが気に入らないので辞めたいとおっしゃっていました。
僕から見れば中小零細企業にはふさわしくない制度に思えましたが、
クライアントさん本人以外の共同経営者や幹部は「変えたくない」と議論が難航していました。
もちろんフェアに評価すれば「良い面」もある制度だろうし、クライアントさん以外の人はそうしたいんだから、多数決でしょうがないと言う側面もあります。
しかも業績を左右する事柄でもありませんから「会社のためを思えば、みなさんの意見に従う」という判断をする方も多いかもしれません。
ただ、僕は相談された時にそうは思いませんでした。
なぜなら僕は「反対している人」のコンサルタントだからです。
クライアント本人が「嫌」「変えたい」と思ってるなら理由は十分です。
全力でねちっこく（笑）、論理的に周りの方の意見を却下し、全力で変えるように動き、アドバイスします。
つまりクライアント本人に100％味方すると決めていますし、基本的に『Yesマン』なんです。
言いなりという意味ではありません。したいことを実現する方法は死ぬほど提案しますが決断はクライアントさんです。
正しい判断か正しくない判断か？合理的か合理的でないか？メリットデメリットも全部説明しますが、最後に決断するのはその人ですし、
その人がしたいかしたくないか？嫌や嫌でないか？好きか嫌いか？を優先します。
なぜこうしているかというと、起業してしばらく、ていうか何十億の会社になるまではこういう”味方””Yesマン”がいないとビジネスなんてやってられないと思うからです。
なんなら、それ以外の人は実は邪魔にしかなってません。
今日は、あなたの側にイエスマンがいたほうがいい理由をお話ししますね。
動画で見る｜あなたの絶対的味方はスタッフにいますか？
文章バージョン続き｜あなたの絶対的味方はスタッフにいますか？
世間では「イエスマンしか組織にいないようなら破滅の道をいく。」とか言われています。
社長の味方ばかりだと道を誤るってことです。
実際破綻した組織のことを分析すると「社長の周りにはイエスマンしかいなかった。」となってることも少なくありません。
時には苦言を呈し、反論し、社長のやりたいことを体を張って止めるようなスタッフがいたほうがいいってことになります。
僕の意見とは反対ですよね。
それでも僕はすべてにイエスで味方してくれる人が側にいたほうがいいと思います。
もちろんイエスマンだけじゃダメって意見は間違っていません。
それは事業のステージが全然違う会社の話をしているからだと思うんですね。
事業が何10億と大きくなっていくと、スタッフも増えていますし社長1人の力量でマネジメントできるレベルを超えてくると思います。
社会的な責任も対象は発生しているでしょう。
もちろん、それでも社長だけで全部判断して、イエスマンはそれに従うだけでもも良い結果になることもあると思いますが、
ここまでの規模になると、なにより第一社長より最適な答えを導ける優秀な人を抱える余裕が生まれています。
たとえそれが社長の意見と対立するものであったとしてもです。
しかもそれが誤ったものであっても、それをリカバリーできる余裕もあったりします。
であれば、異なる意見を許容することで、よりよくなることもあると思うんですよね。
なによりそうする必要があるんです。エゴだけではやっていけません。
道義的な道を外れることも監視の目が多いほうがないでしょう。
ただ、スタート当初や大きくなってな状態の会社の場合、そもそも社長よりも最適な答えを出せる人材が側にいることはほぼありません。
これはスキルや能力という意味でもそうですが、「責任を取る覚悟の上での最適な答えを出して決断する」っていう世界の話でもあります。
となると自分より能力が低い人の反論や代案、責任を取る覚悟の上での最適な答えを出していない人の意見を聞き入れる余裕がないんですよね。
そんなことをしてると、とたんに業績が低迷することもありますし、その責任は誰もとってくれません。
冒頭で話した人事評価もその結果優秀なスタッフが退職しても、そうしたいと言った幹部は何の責任も負いません。
たぶん気づきもしないでしょう。
何より自分の意見に合意してもらうための時間をいちいち使うのは、とても疲れます。
自信もなくなります。
しかも他人の意見で決定したことで失敗したときの、悶々とした気持ちはなってみないとわかりません。
なにより自分を肯定してくれる。自分のやりたいことを100％助けてくれる。そういう人がいると精神的に安定します。
そもそも始めたばかりの頃なんて、ただでさえ孤独ですし、不安です。
自信もありませんから、味方になる人がいるだけで随分助かるんです。
くどいようですが、別に言いなりの奴隷のような人を側におけと言っているわけじゃないですよ？
したいことを実現する方法は提案してくれるでしょうし、
正しい判断か正しくない判断か？合理的か合理的でないか？メリットデメリットを説明してくれる人でもいいでしょう。
ただ、最後の決断をあなたにさせてくれる人であり「あなたがしたいかしたくないか？」「嫌や嫌でないか？」「好きか嫌いか？」でその決定をしたとしても受け入れてくれる人のことです。
会社のためには。
このビジネスのためには。
ということを優先しない人のことです。
道義的責任を問われるようなことをしても良いってことを言ってるわけでもありません。
本人がそれらを遵守する人格を持ち合わせてる時に限ります。
僕にもそんな人がいましたし、今でもいます。
僕の周りの社長にも1人はいるように思います。
必要なのは『正しいことっぽいことをあなたにやらせようとする人』じゃないんです。
必要なのはあなたの味方をする人です。
・長くいろいろやってくれてるスタッフ
・外注さん
・共同経営者
・コンサルタント
誰でもいいのですが、ぜひそんな味方を1人でも見つけて欲しいなって思います。
【雑談】老眼鏡
僕は極度の近視です。
コンタクトかメガネがないとまじで歩けません。
レーシックは以前検討したんですが眼圧の検査？でダメだったんで諦めました。
（てか、ちょっとビビったのもある）
そして40代。老眼になりました。
本を読む時はコンタクトしながら老眼鏡をかけるってものすごい効率が悪いことをしてます。
でもね、老眼になると近眼が治るって昔言いませんでした？
全然治らないですね。都市伝説みたいです。
にしても、最近オンラインミーティングで顔だしすると、古い付き合いの人はみんな老眼鏡をかけてて、
改めて加齢を感じますねー（笑）
せめて肉体は鍛えないとなと思い始めてる夏まっさかりの今日この頃です。
中国
