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顧客数と利益額どっちが大事?【第575回】

こんにちは。河野です。
今日も開封していただきありがとうございます。
(動画、文章、音声 でお届けします。)

今期の赤字が6億円。

あるスタートアップの決算を見たら、こう書いてありました。

今の時期、業績が悪化している会社なんて多いから驚くことはないかもしれませんが、
この会社は売上が10億円です。半分以上が赤字。

なかなかの成績だと思うんですよね。

もっとも、スタートアップっていうのは、多額の資金を投資してもらって、それを惜しげも無く使い、
いっきに急成長をすることを目的にしていますから、こうなりがちといえばこうなりがち。

要するに資金が尽きる前に、赤字を大きな黒字に転換するか、
赤字でも上々や売却をして投資額を上回るお金を手にすればいいわけです。

一方、何億の赤字が出てもへっちゃらな多額の投資も受けてないし、上場も目指してないしょぼい僕らはどうでしょう?

まとまった現金が手元にない限り、大きな赤字を出してしまうとイコール倒産を意味します。

当然とるべき方法は「ケチケチ作戦」。

「ケチケチ作戦」は広告費の使い方で如実に現れます。

例えば僕はコンサルティング事業を始めたばかりの頃、
広告で「無料相談」を募っていました。

グーグル広告に3万円使うと、だいたい10件くらいの相談を得られました。
この10件のうち半分は月15000円のコンサル契約をしてもらうことができました。
今ではこの数字は全然違いますが当時はこんな感じでした。

1人の顧客を新規獲得するのに1万五千円使うのだけど、当月には同額を支払ってもらえるので
差し引きゼロ。翌月には15000円ずつ利益が得られる計算がたつわけです。

これがもし、グーグル広告に3万円つかって、無料相談を3件しか得られなくて、
かつコンサル契約も2割くらいしかもらえないとしたら、ビジネスの継続は無理でした。

だって1名契約するのに5万円かかるわけで、利益が得られるのは最低でも4ヶ月後になります。

ということは、事業コストが〇円で運営していても生活費は最低でも4ヶ月分現金で残ってないとダメなんですよね。
しかも、継続してくださらない場合は利益の回収ができないので、そのまま損になるリスクをはらんでいます。

要するに、支払ったコストが当月か来月くらいには回収できなければ、そのコストは払えないし
払うべきではありません。

式にするとこう。

1人の新規客を得るために必要な広告費 < 1人の新規客から当月か来月までに得られる利益額

(ちなみに1人の新規客を得るために必要な広告費をCPO – cost per order)と呼びます。)

当たり前ですが、この式を守ってる限り、倒産はしないだろうし、ビジネスは持続可能です。
ある程度でかくもなります。

賢い個人起業家はこのセオリーを徹底的に守っています。

ただし、、、

持続可能なだけなんです。

持続するだけ。

一定の規模以上には拡大していけません。

変ですよね?

だって、1万五千円かけるたびに月1万五千円売り上がる顧客が1名増えるなら、
月3万円の広告費で新規2名。これを1年つづけたら顧客数が24名。
1年後の売上は月36万円。

1年後広告費を月12万に増やしたら月の新規客は6名。
2年後の新規客は約100名。売上は月150万円。

こんなふうどんどん大きくなるはずじゃないですか?

でもね。こうはならないんです。

理由は単純。
1顧客あたりの広告費を引いても残る利益を意識している限り、拡大が止まる瞬間があるからなんですね。

それは重視する数字を変えないと、あるタイミングから急にビジネスが停滞するからなんです。

ということで、今日は利益を残すべき時と、別の数字を見るべき時についてお話したいと思います。

今日もYouTube動画とPodcast音声と文章版でどうぞ。

動画で見る|顧客数と利益額どっちが大事?

文章バージョン続き|顧客数と利益額どっちが大事?

答えから先に言います。

ある瞬間から1名のお客さんを獲得するコストと利益ではなく、
単純な顧客数を気にしなければならないからです。

理由は聞けば単純なんですが、
新規客を獲得する費用って、時間と規模に応じて、まず間違いなく上がっていくからです。

例えば時間。

あなたのビジネスがうまくいってるということは、他にもうまくいくことに気がついた人が間違いなくいます。
そして、同じような広告を出し始めます。
そうなると当たり前に広告費が上がります。
特にネットはそうです。

僕も5年前は1リストの獲得コストが百円くらいだったものが3千円になるみたいな現象よく見ます。
もちろん、広告メディアというのは次々新しいものができますので瞬間瞬間は安くなったりもするんですが、
長期的なグラフにすれば上がっていきます。

また、たとえライバルがいなくてそのせいで広告費が上がってないとしても、今度は規模の問題で上がってしまうんですね。

カラクリはとても簡単。

今のネット広告ってマスで出すことはほぼありません。
必ずそれが欲しい人を狙い撃ちにする仕組みになっています。

検索ワードに連動していたり、普段の行動利益に合わせてみたり。

なので「それが間違いなく欲しい人たち」に露出しているからこその結果なんです。

だけど、獲得する人数をもっともっと多くしたいとしますよね?
そうすると「それが間違いなく欲しい人」だけを狙っていると、もう対象客に露出しきってしまいます。

あとは「それがもしかしたら欲しいかもしれない人」も狙うことになるんです。

簡単にいえば、中学生のお子さんを持つ人にだけオンライン家庭教師の広告を出していたのだけど、
規模が大きくなると広告費を増やしたくてもこれ以上中学生を持つとわかってる親がいないってこともあるわけです。

そうすると、もしかしたらオンライン家庭教師を欲しいかもしれない子供を持つ人すべてを狙おうってことになるし、
さらに進むと年齢30歳以上だと子供がいるかもしれないって広い幅をとるようになっていったりします。

これって、英会話とか、健康法とか、幸せとか、比較的大多数の人間なら興味を持つ分野ならそれほど影響ないこともあるんですが、
特定のお客さんを相手にしている場合は如実にそうなります。

こんなカラクリで、顧客獲得コストは絶対に上がっていくんですよね。

このコストが増えていくって話は、何も広告費に限ったことでもなくて、
例えばSNSのネットワークに依存している場合も同じことが起こります。

だってSNSの知り合いだけを集客ターゲットにしている場合いつかはこのネットワークは枯渇します。
その中でやっているかぎり、そのネットワークの規模以上には顧客数が増やせなくなるからです。

結果どういうことが起こるかというと

1名から得られる利益を来月くらいで回収することを絶対条件にすると、
今以上の新規客の獲得数が増やせなくなります。

だって、今以上に増やそうとすると、どうしても1顧客から得られる利益が短期的には回収できないからです。

そして、何年も失敗してるわけじゃないけど同じところをぐるぐる回っている停滞期のビジネスが出来上がります。

ではどうするか?なんですが、やることは単純。

1顧客あたりから得られる利益を端的に見るのを辞めるしかありません。

簡単にいえば、1年間、2年間で得られる利益とかって味方に変更します。

1顧客が生涯にわたって生み出してくださる利益のことをLTV(顧客生涯価値)と言ったりしますが、
LTVを見ろってことです。

1人の新規客を得るために必要な広告費 < LTV

こういう味方をしないと規模を大きくする式が保てないんですよね。

冒頭で紹介した6億赤字のスタートアップ企業はこれを最初から見てるのだと思います。

もちろん、まだ起業して1年とか2年だとLTVは未知数だと思いますし、
何年もやってるとしても、LTVがそもそも低いかもしれません。

それでもね、規模を大きくするなら
1人の新規客を得るために必要な広告費 < LTV
この計算が成り立つ限り広告を増やす方がいいんです。

LTVを今から増やせるようにいろいろしてちょうだい。

ってことを言っています。

未知数なのはみんな同じです。

しかし、事業を大きくするためにLTVを伸ばせるかどうか勝負するっていうのは
リスクとして請け負っていく必要があるんですよね。

それすら嫌なら、停滞期のままで納得するしかありません。

でもね、スタートアップほどリスクじゃないと思うんですよ。

だってもう広告費を単月では払えるキャッシュフローがあるでしょ?

留保金なのか、当月余ったお金かはしらないけれど、
ケチケチしてきたからこそ利益額は間違いなく残る経営をしていると思うんです。

そうなると、そのお金の範囲で広告費を使ってる限りはそのお金がなくなるだけで事業リスクとまではいえないのじゃないかなと。

しかも朗報があります。

LTV(顧客生涯価値)って一度でもお金を払ったことのある全顧客とすべての顧客が支払った総額を割り算して平均を出します。

たとえば、100名の顧客がいて、全員1回しかお金を払ったことがなくて、支払い額は10万円なら、1000万円割る100名で10万。
LTVは10万円です。

このビジネスはホームページ制作てことにしましょう。

これで顧客が2回目の支払いをしてくれないとLTVは上がらないのですが、
もし100名に対して保守サービスの案内をしても、申し込んでくれないとします。

やけくそで、年間500万円の経営コンサルの2年契約をオファーしても沈黙していたとしましょう。

でもね、もし顧客がさらに100名増えて200名になったら、奇特な社長が1名申し込んでくれるかもしれません。

そうなると200名で全員10万1回払ってて、1名だけさらに1000万払ってます。
3000万割る200名になるのでLTVは15万円くらい。

1.5倍になりましたよね?

ある規模までいくと顧客数が多ければおおいほどLTVもいじりやすくなったりします。

なので規模拡大の時はLTVを見るようにするべきなだけど、
そのためにも大事な数字が 顧客の増加数なんです。

極論をいえば、その月のキャッシュが許す限り顧客が増える限り広告費は全部使うくらいでもいいわけです。

くどいですが、これはLTVを増やすってことが絶対にできないビジネスでは成立しません。
(モールの転売とかでは構造的に無理ですよね。)

そうじゃない場合は、なかなか真理だと思うんです。

まとめてみましょう。

お金がない最初は広告で新規客を集めるけど翌月までに得られる利益よりも低く抑える。
ある規模までいけば、今度は顧客数を増やすことを目標にして現金が許す限りは広告費をケチらない。
そしてLTVを一円でも増やせるようにプロダクトを増やしたりする。
1名が超高額を買おうが、複数が安いものを買おうがLTVは増えていく。

とこうなりますね。

いかがでしょうか?

停滞期が謎な人は参考にしてもらえるかもしれません。

ーー動画だともうちょいくどくど例を出してますので
もっと理解したいとか、続きが気になる人はそっちもご覧ください。

ではでは。

【雑談】うたのおねえさん

先日、中学生の娘と、そのお友達を乗せて車を運転した時の話。

たまたまNHKのおかあさんといっしょを放送していて、自分たちが小さい頃の
おねえさん、おにいさんの話なんかで盛り上がってました。

(もちろん、彼女たちは小さい頃の話なんで僕のほうが詳しいから、ペラペラしったかぶりで話したのは僕のほうです。)

で、その中で中学生らしく、“うたのおねえさんという仕事”について話になりました。

なんでも、うたのおねえさんを夢見てる人が多く競争がはげしくて、なれるのは本当にすごいことであることは間違いないんだけど、
それよりも子供たちのアイコンである立場上、異常なくらいの行動制限があるそうです。

・立ち食いの蕎麦屋や酒屋は行ってはいけない。
・旅行も行ってはいけない。
・異性交遊もだめ。
・髪を染めてはダメ。
・車の運転禁止。

こんな感じらしい。

そんな中給料も調べてみたらしく、なんとそれが月収35万なんだそうです。
本当かどうかはわかならいけど 募集条件にはそう書いてたみたいです。

これを聞いて僕が思わず僕は

「安!」って大きな声で言ってしまいました。

すかさず中学生のお友達に 「え?35万って安いの?」 とツッコまれました。

さて、安!なんて軽くいわなけばいいものを、言ってしまったものは説明をちゃんとしないとってことで、
いろいろ言い方考えました。

適当におちゃを濁すか?ちゃんと説明するか?

でもちゃんと説明するといっても正しい説明は存在しないでしょうしね。

データでいえば、日本の会社員の平均は420万ほど。
おたのおねえさんくらいの年代。20代前半であればもっと低いでしょう。

でもこれはあくまで平均とか、慣習にそったらって話。

そういう意味では安くはないよねってことになるし。

制限されてることや希少性から考えれば35万はやりがい搾取以外の何ものでもありません。

でも国営放送のスタッフだと考えれば、感情論として高額な報酬を提示できないのかなとか。

と、いろいろ思案しましたが、中学生達は僕なんかよりよっほど頭がいいだろうということにいきついて、
そのまま全部説明しちゃいました。

「なるほどー。見方によって給料もいろんな捉え方があるんですね。」だって。

さすが。
変に誤魔化さなくてよかったです。

しかし、まあうたのおにいさんおねえさん。本人も好きな仕事であり、責任感がそうさせるのだとは思いますが、
あれだけの子供たちの影響を与えてくれて、ほんと尊敬しますね。

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