利益の最大化は案外難しい。売上が急に増えなくなる理由
日本河野竜夫目次
「売上を増やそうとしてはいけません。」
こう言われた時に意味不明な人も多いですよね?
売上増やさずにどうすんだよってことですからね。
一方ですぐにピンとくる人もいると思うんです。
おそらくビジネスをすでにしていて、
売上を増やそうとして大変な目にあった人。
そうなんです。
わかる人にはすぐわかるんだけど、
売上を上げようとしてはいけないことが
あるシチュエーションだと起こるんですよね。
売上を上げようとすればするほど、
儲からなくなり、どんどん状況が悪化することがあるってことです。
今日はこのお話をしますね。
動画で見る|売上をこれ以上増やそうとするな!
文章バージョン続き|売上をこれ以上増やそうとするな!
売上を上げようとすればするほど苦しくなるって言われても、
知らない人にとっては意味不明だと思うので、
カラクリを説明していきますね。
大前提として知っておかなければならないのが、
収益逓減の法則ってやつ。
収益逓減の法則を雑に言えば、
同じ時間・同じ広告費・同じ労力を追加投入しても、
ある量を越えると最初ほど利益が増えなくなる現象ってことです。
営業を1名から2名に増やすと売上は倍になるけど、
3名にしても2.2倍にしかならないとか。
出荷担当を倍に増やしても、
効率は数パーしか上がらないとかってことです。
もうすこし具体的な例を出していきますね。
■広告の収益逓減で利益ダウン
この法則がめちゃくちゃ如実に出るのが広告の世界。
たとえばあるスキル習得のオンラインスクールを立ち上げたとします。
他社分析もしっかりやって、ランディングページのコピーも練りに練ったおかげで、
広告を出せばどんどん顧客を獲得できていました。
1日予算を3000円から始めて、月10万円くらい使ったら、
単価50万円のスクールに2名申し込みがあって売上100万。
獲得単価は5万円。
利益は90万。
すぐに1日予算を1万円にあげて、月30万くらい使って、
単価を60万に値上げしたけど6名申し込みがあって売上360万。
獲得単価は変わらず5万円。
利益は330万です。
さらに予算を3万にあげて月100万くらい使ったら、
申し込みが鈍化して10名申し込み。
獲得単価は10万円。
売上600万で利益は500万。
と、ここまでは好調ですよね。
年商で5、6千万くらいはいけそうです。
ただ、次のステップからおかしくなります。
予算を150万とか200万に増やしたあたりから、
獲得コストが跳ね上がるようになったりします。
200万広告を使ってるのに申込は5名とかで
売上は300万。利益は100万に減ってしまいました。
もちろん、細かく言えば
meta広告、Google広告、他の広告媒体で
差があるんで簡略化して説明してますが、
ビジネスで問題が出たわけではないんです。
トレンドが変わってしまったとか、
広告媒体の機能不全とか、
ライバルが値下げしたとか、
悪評がたったとか、
全然関係ないです。
これがいわゆる収益逓減の法則です。
単に広く狙えば狙うほど非効率になってるってことなんです。
あなたが優秀かどうかはあんまり関係なくて、
そうなるべくしてなるんですよね。
■労働力の収益逓減で利益ダウン
広告以外にも人件費にも言えます。
たとえば事務処理やカスタマーサポート、
出荷担当受発注担当を外注さんで雇ってるとします。
売上の比率でいえば20%にも満たない原価なので
利益へのインパクトはそれほどでもありません。
最初は1名から始めると思うんですが、
売上が増えれば顧客数も増えますから、
1名ではいっぱいいっぱいになってきます。
そこで二人目を採用、さらに三人目も採用します。
すると次第に業務効率が落ちてきます。
1名で100のタスクをしていたのだけど、
2名だと170のタスクになってしまい、
3名だと220しかこなせないなんてことが起こります。
そうすると売上に対する人件費(税務上は経費)の割合が
40%とかに増えちゃうんですよね。
これも収益逓減の法則です。
あなたのマネジメントは多少悪いかもしれないし、
AIを使えば効率化できるのかもしれないけれど、
やはり法則として売上が増えると同時に利益が減っていくわけです。
■では、売上を増やさないと、もう儲けられないの?
とまあ、こんなふうに収益逓減の法則で、
売上は一定の規模を越えると利益が減っていきます。
そうなると、売上は増やすなってことになるんで、
救いがないように見えますよね。
だって今の利益で満足してなくて、
もっと利益が欲しいから売上を増やそうとしているのですから。
お前は今のままで満足しとけってことになってしまいます。
僕は2つの選択があると思っています。
1つは今の事業のままで利益を増やす努力をするってこと。
ポイントは「努力をする」ってところにあります。
収益逓減の法則で広告を乱暴に増やすだけではもう利益は増えません。
であれば、期待値が低くてもSNSをガチで取り組んだり、
オーガニックアクセスを求めてガチでSEOブログを立ち上げたり、
販売パートナーなどを真剣に探して交渉したりして、
新規の顧客獲得チャネルを作るとかが必要です。
または、リピートやクロスセル、アップセルで買ってもらう商品なりサービスを企画して
LTVを増やす試みをすることも必要です。
または同じ広告でも集客の動線で広告費が抑えられるリードマグネットを
テストしまくって見つけたりします。
つまり、未知数なものだから結果としてうまくいかないかもしれない努力を
広告の比じゃないくらいはがんがって作っていくことになります。
2つ目は広告費と人件費がどこのレベルだと残る利益総額が最大化するかを
ちゃんと計算して、その限界点からは売上を伸ばそうとしないという選択です。
諦めに聞こえるかもしれませんが、
しっかり計算をしてどこのレベルが利益額が最大化するかを把握して
それ以上広告費や労力を投下しないのは、それが一番合理的だったりもします。
でもそれだと利益増大を諦めることになってしまうので、
別のカテゴリ、顧客層をターゲットにした商材やサービスを売ることにします。
それは今のサービスの派生したものの場合もあるし、
まったく別のビジネスの場合もありますよね。
たとえば雑貨のECだったものが、
アポレルを扱うこともそうだし、
レディースだったECがメンズを狙うこともそうでしょう。
アートメイクサロンが、シミ取りをするのもそうです。
ドイツ留学サービスをしてる人が、
オーストリア留学サービスを展開するのもそうです。
よく儲かってる会社があれやこれや手を出していて、
なんでもやるなーって思うことあると思うんですが、
あれももしかしたら収益逓減の法則で、これ以上資金や時間を使うと
合理的ではないので1つのサービスを大きくするのを止めたからなのかもしれません。
■一番してはいけないこと
で、こんな時一番してはいけないことがあります。
それは、利益が減っていくことを無視して、売上額しか見てないこと。
その結果としての合計利益額を見るべきです。
1名あたりの利益が少しでも出ているなら顧客を増やせという話ではなく、
合計いくらの利益になるか?って視点でデータ集計する必要があります。
たとえば、
広告費用10万円
新規客10名
顧客単価2万円
売上20万
顧客あたり利益1万円
合計利益10万円
この広告費を倍にします。
広告費用20万円
新規客15名
顧客単価2万円
売上30万
顧客あたり利益6700円
合計利益10万円
これだと利益は変わってないですよね。
LTVは考慮してませんが、単純計算で儲かったということではないわけです。
もう一つしてはいけないのは、
売上を増やす作業を単純化してしまうことですね。
すでにここまでくると収益逓減になってるので、
パパっと広告費を増やすとか、
LPを多少変更する程度では効果は出なくなってます。
こっちの問題ではないからです。
なのですが、ある程度広告で単純なマーケティングで
成果を出したオーナーは、その成功体験から、
楽をして利益を増やしたいんですよね。
だからどうしても
SNSがとか、SEOがとかって作業や
別のカテゴリやサービスを立ち上げるってことを億劫に感じます。
そうなると悪循環で、
楽して金だけかける。
楽して人だけ増やす。
でも利益は増えない。
って負のスパイラルにハマってしまうんですよね。
■もし売上が横ばいだと感じてるなら?
もし今売上が横ばい、利益も横ばいで
全然伸びないと感じてるなら、
・販売チャネルは全部試したか?
LTV最大化の試みは行ってるか?
をまずは気にしてほしいのですが
もしやりきってるなら、収益逓減かもしれないので、
どれくらい広告費を出すと利益額が縮小するかの計算をしてみてください。
その上で、
A 努力をして販売チャネルを増やすか?
B 別カテゴリやサービスを展開して金と時間を効率的に使うか?
を選んでみてください。
【雑談】中年男性の涙に共感した中年男性の話
去年みた映画やドラマでまだ語ってなかったものが1つあります。
ネトフリで配信されてるドラマ
『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』
韓国のドラマなんですが、
これは世界中の家族を持つ中年男性にはおすすめです。
見てくれる人がいると思うと
中身はネタバレになって話せないのですが、
主人公は
大企業で部長を務める中年男性。
奥様と大学生の息子がいます。
価格の高騰しているソウルの持ち家を持って、
家族を養い、子供を大学にも行かせてることも自慢の一つ。
表面的にはいけすかない「おじさん」そのものです。
でも、会社で若い人に実はバカにされてたり、
家族からも尊敬されてなかったり、
上司の評価にビクビクしてたり、
まだ俺はやれるぞと息巻いてみたり、
特に東アジアで「男は家族を養って一人前」みたいな価値観で
育ってその通りあろうと踏ん張ってる中年男性の苦しさを全部背負ってくれてます。
あ。全10話あるんですが最初の1話とか2話で辞めてはいけませんよ?
最初はみんなが嫌いな選民意識の無能な中年男性にしか見えないですから(笑)
この後が面白いんです。
僕は会社勤めはとっくに諦めてしまったんで
立場が違いますが、すごい共感できるところもありました。
周りからは理解されないだろうし、
本人のしょうもないプライドもあるのだけど、
本人はいたって真剣に責任と戦ってるところとかね。
もし世の女性で配偶者の男性の気持ちがいまいちわからない人がいたら
すこしはわかるかもしれません。
結構おすすめです。
【お知らせ】
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