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新規Webサービスを作るのに何百万もかけない方法|たとえば語学レッスンのサイトとか。

こんにちは。河野です。
今日も開封して頂き、ありがとうございます。

---起業よくある風景---

「開発費はざっと見積もって150万円です。」

Webシステム開発会社からの回答は
予想はしていたものの、気を落とすのには十分な回答でした。

Aさんは、先週までのワクワクした気分が、
息苦しい感覚に変わるのを実感します。

 

「これはいいぞ。」
アイデアを思いついたとき、
そんな確信がありました。

アイデアは、イタリア語の講師がオンラインで選択できて、
格安でイタリア語会話を学べるサービス。

英語や中国語のオンラインレッスンと同じく
イタリア語のサービスもすでにあるものの、

「使い勝手はまだまだ改善する余地があるサービスばかりなので、
自分のアイデアなら利用者が喜んでくれるはずだし、
日本人だけじゃなくて、
世界中から会員を集めることもできそうだ。」

そう確信します。

ワクワクしてこのビジネスをやってみルことに決めました。
それには準備しなければならないことが多そうです。

講師にスケジュールを登録してもらう機能。
スケジュールが会員に見えて予約できる機能。
月額で課金するのか、チケット制にするかは
検討中だけど、クレジット決済をする機能。
キャンセルする機能も必要になりそうです。

講師紹介に動画も埋め込みたいと思います。

自分はシステム開発のスキルも
ましてや習得する時間なんてありませんので
別の誰かに作ってもらうしかありません。

そこで、検索エンジンで調べた開発業者や、
友達に紹介してもらったフリーランスのエンジニアに
相談してみました。

「すこしくらいは資金がいるのだろうな・・・」

そうは思っていましたが、
さすがに、150万といわれると一気にテンションが変わりました。

ましてや、
システム開発の相場も、
システムの中身もわからないので、
これが適正なのか?がまったくわかりません。

「そんなものかな?」

という気持ちと、

「本当にこれでちゃんとしたものができるのだろうか?」

という気持ちがせめぎ合います。

でもAさんは決断します。
人生一度きりってことで
支払いを行い開発を進めることにしました。

何度かの打ち合わせの後、
システム開発が開始します。

担当はとても頼りになりそうなプログラマーの人で
そこだけはすこし安堵しました。

だいたい2ケ月で”完成する”ということらしいので、
首を長くして完成を楽しみにしていました。

完成を待っている間も、
「次の展開を」いろいろ検討しました。

「中国人にも売りたいから、中国語のものも作りたいな・・・
今度プログラマーさんにいくらくらいでできるか聞いてみよう」

「専用の教材も準備すると売上げが増えるかも・・どれくらいのコストで作れるか調べてみよう」

”会員が集まった後の”アイデアがどんどん出てきます。

そして2ヶ月後・・・・

システム開発会社のささやき:追加で50万円万かかります?

「うわー イメージとおりだ!」

Aさんはパッと見て感動しました。

気に入りました。

今度は会員登録や
スケジュール管理のところを実際動かしてみます。

会員登録はうまく動きます。

でも、「あれ?」会員ページがありません。

Aさんのアイデアでは会員専用ページで予約をするようにするつもりでした。

会員登録はできますが、登録できるだけです。

スケジュール管理も、予約をしたときに、講師へ連絡が入りません。
メッセージを送る機能もついていません。

Aさんにとってはさして説明しなくても、全部普通に実装されているものだと思っていました。

まだ途中なのかもしれないなと思い、確認してみました。

言われた答えに耳を疑います。

「その機能は当初の打ち合わせ(見積)にはないので、納期が追加で1ヶ月かかります。また、最低でも50万はかかります。」

当然プログラマーの思惑としては、当初の仕様に入ってないのでしょうから、全うな主張かもしれません。

せっかく、「人生のチャレンジ」なのだからと、あと50万を払ってお願いしました。

そして1ヶ月後待望の会員専用ページも、予約のメール発信機能も全部動くようになりました。

いよいよサービスリリースです。

入念に準備をして、公開しお客さんを集めてみました。

ドキドキがとまりません。

そして1ヶ月後・・・

お客さんはまだ一人もいません。

無料レッスンを受けてはくれるのですがその後が続きません。

講師が次々離脱していきます。

広告とやらも、クリック課金型のものを3万円ほど使ってみましたが
無料レッスンを10名ほど使ってくれただけで
会員にはなってくれませんでした。

冷静に考えてみると
今のままでは駄目なことがいろいろわかりました。

・広告費をある程度かけないとアクセスは集まりにくいこと

・予約機能や無料レッスン後のフォローメール配信など
修正や追加すべきことがどんどん出てくること。

・実は講師を自由に選択するよりも、
専属の講師を求める人が多いこと。

収益を出していくには、
広告費をもっと出さなければならないようです。

システムについてさらに修正を相談すると、
「その機能をつけると根本を改造しなければならないため、
また70万くらいはかかる」

そういう返答でした。

もうお金はAさんに残っていません。

こつこつ貯金したお金はもうあまりありません。

生活のことを考えると使えないです。

Webサービスにお金をかけすぎない方法とは?

さて・・・

実はこのお話は、
特定の誰かの話ではありません。

「中古の自転車用品を売りたい人と、
買いたい人をつなげるマーケットプレイスを作りたい。」

「占い師とお客さんをつなげるマッチングサイトを作りたい。」

そういうアイデアを持つ人にとっては、
よくある風景をお話しました。

少なくとも、この時点ではあまりハッピーとは言いにくい。

アイデアは悪くないこともあるし、
どうしようもなく需要のないものである場合もあります。

でも、そこが問題ではないと思うんですね。

だって、ビジネスなんて、

・トライ&エラー。

・試行錯誤

・構え・撃て・狙え

・テスト!テスト!テスト!

これが鉄則。

問題はたった一つだと思います。

先に「システム」に金を使いすぎ。「システム」に時間かけすぎ。

本能的にビジネスセンスがいい人でも、
ことWebサービスになるとこの愚を冒してしまいがちです。

物を売る場合は、
類似品をまず転売してみて、
売れるとわかればより良くしたオリジナル商品を作ったり、
そういうテスト販売の原則を守れるのにです。

オリジナル商品を作る場合でも、
ロット数、製作コストも最小にする交渉を
最後まで続けるのにです。

僕もプロですがこの間違いを犯してきました。(笑)

自分も経験してきただけに、強く言えることも結構あります。

解決策は2つ。

手作業でやる

一番重要なことはWebシステムを作らないことです。

つまり手作業でやるんです。

ヒット映画で「テルマエ・ロマエ」という邦画があります。

ローマ時代の風呂技師が現代の日本にタイムスリップして
日本の風呂の技術を持ち帰るというお話しです。

その映画の中で主人公のローマ人が、ローマ時代に日本のジャグジーを再現するために、奴隷を使って、ホースで永遠に息を吐かせるという”仕組み”が描写されてます。

映画では笑いどころとして描かれているわけですが、これと同じことです。

そもそもWebシステムというのは、人の手で行う作業を自動化する仕組みのこと。

であれば、論理的には手作業でできないことはないわけです。

会員登録は、通常のメールフォームで送ってもらいます。

会員毎にIDとパスワードをいれないと開かないアクセス制限をかけた会員別のページを個別に作って案内します。

講師の予定もあらかじめメールやチャットで聞いておいて、
手で講師ページに入れておきます。

会員個別のページにも、手作業で1日3回ほど更新して、すべての講師の最新の予定を掲載しておきます。

予約がはいったら、手でメールを講師と会員に送っておきます。

ね?全部手でできますよね?

これであれば、通常のホームページ製作の範疇なので、簡単なツールやテンプレートを使えば自分でも1日や2日で作れるでしょうし、だれかに頼んでも10万は超えないのじゃないかと。

もちろん「私にそんな時間はない」ってこともあると思うんですね。

その場合は、事務作業として在宅の人に頼めばいいのじゃないかと。

そもそも最初はお客さんが何十人もいないのですから、きっと自分でできますし、手作業で全部やっても1日の稼動時間は1時間ー3時間くらいじゃないかなと。
人に頼んでも800円くらいの時間単価にしても、1日2400円。

何がいいたいかというと・・・

ビジネスで一番大切なのは、
「売ってみて売れるかどうか確認する。駄目なら改善するか撤退する。」
ということだと思うんですね。

お金を使うな。

ということを言いたいのではなくて、
「売ってみて売れるかどうか確認する。駄目なら改善するか撤退する。」
ここに最初にコストはかけるべきじゃないのかなと。

そもそも、オンライン語学レッスンを利用する人は、語学レッスンを効率的に受講したいのであって
便利な予約システムを使いたいのではないわけです。

永遠に改造するつもりで作る

もうひとつ。

それでもWebシステムを作りたいのであれば、
「完成させる」という概念を持たないようにすることです。

今どきのWebサービスの開発のトレンドは、

「売ってみて売れるかどうか確認する。
駄目なら改善するか撤退する。」

このセオリーのとおり、”改善し続ける”ことを前提にしています。

なので、お客さんの反応がわからない中で、
「AからZまでで完成です。それには200万かかります。」
といった思想は用いません。

どうせ改善しなければならないのだからと、必要最小の最小の最小で作りながら、同時に世の中に出して、どんどん改造し続けるというやり方をしたりします。

となると、初期に何かを払うわけではなく、コストのかからないプログラマーをパートナーに迎え入れるか、

ランニングコストとしての開発費を毎月小さく小さく支払っていくかという選択になります。

ちなみに、僕は自社のWebサービス「アブローディング」でこの間違いを犯しました。

アイデアに高揚していたので、当初のシステムは一気に完成を目指したんですね。

結果・・・今そのシステムは全部作り直しました(笑)

おかげでなんとかサービスが成長してきていますが、最初からやっていればもうすこし成長速度は速かったのかなと。

ひとつに全部のお金を使うな。

端的に言えば、

・何度も改造するお金。

・ビジネスそのものを変更して新しいものをやるお金。

・広告を出すお金。

これにお金を残しておいてねってことなんですね。

リリースされたとたんに、売れないことがわかったり、売るためにもっとお金が必要だとわかって
そのままその人の意気込みごと消えたサービスが何万あるのだろうかと。

ということで、ご自分か配偶者か、パートナーが、バリバリのGeek(アメリカでおたく、起業家の中では
プログラマーのこと)がそばにいないなら、

「手作業でいいんじゃない?」

「まずは売ってなんぼでしょ?」

ということを意識してもらうといいのかなーと。

さて・・・

「あなたのそのアイデア、いったいいくらかかるといわれましたか?」

編集後記

木曜日から10日ほど欧州を回ってきます。

フィレンツェに入り、その後バルセロナ。
イベントが全部終わったら地中海沿いを南下して2日ほどゆっくりします。

バルセロナ、好きなんですよね。
サーフィンさえできるなら住みたいくらいかもです。
(サーフィンが常時できないので住まないってことなんですがw)

そして、帰国したらすぐにハワイへ移動します。

今回も子供の夏休み一杯の1ヶ月半くらいの滞在です。

ハワイも好きなんですよね。
サーフィンができますし、トランクスだけでいいし。
(サーフィンが常時できないのなら住まないってことなんですがw)

話は変わりますが、
週末は父の日。

実は幼稚園でお父さんと遊ぶというイベントがある日です。

年に1回だけ。

幼稚園の間しかないから、子供1人なら一生に3回。

子供2人なら一生に6回しかありません。

娘のときは3回とも参加したんですが、今年息子のだけ1回いけません。

うすうすわかってたんですが仕事を優先しちゃったんですね。

でもささやかに悔やんでます。

だってたった6回が5回に減ってしまうんですよね。

変わりにまた戻ったら一緒にたくさんすごしたいなと。

息子を片手で抱っこできる期間もあとちょっとです。

家族に感謝。いつもありがとう。

来週の配信は地中海を望む バルセロナからです!
アデオス。

お知らせ

ペイン バルセロナ勉強会&セミナー6月21日(火) 追加座席分のみ。

イタリア フィレンツェ勉強会&セミナー6月18日(土)キャンセル待ちです。

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